教員・職員の声

変わったこと、変わらないこと(現代社会学科・山田明教授)

人文社会学部が誕生して18年である。古墳が二つもあり、緑豊かなキャンパスはあまり変わっていない。春の桜と秋の紅葉のシーズンはキャンパスが色づき、いつもながら気分も華やぐ。研究室のベランダからよく眺める名駅周辺の景色は、超高層ビルが林立し、ここ10年余りでかなり変わった。写真は昨年の台風一過の朝早く、きれいな虹の架け橋を撮ったものである。自慢げに講義でも紹介した写真だ。

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学部で大きく変わったのが、教員の入れ替わりである。学部創設の頃から残っている教員は、いまや半数に満たない。若いつもりの私などが最古参となり、この3月で定年退職する。それと昨年4月から学部が再編成された。
「豊かで人間らしい生き方のための持続可能な地域社会と地球社会をつくる教育(ESD)」を実現するために、学部・学科の教育を再編し、これまでの人間科学科が「心理教育学科」に名称変更された。学生定員を1学年あたり200名へ増員し、すべての学科で推薦入試や留学生入試などを行う。まだ馴染みの少ない「ESD」だが、秋にはESDユネスコ世界会議が名古屋で開催される。ESD教育を「売り」にして、持続ないし維持可能な学部にしてもらいたい。

学生定員が増えたこともあり、すし詰めの教室が多くなった。講義風景もいろいろだが、3学科の学生と数多くの聴講生(市民)が受講する略称「名古屋と観光」を紹介したい。

この講義は8年前から後期に開講しており、毎年201教室が満杯になる。現在は吉田・阪井・成田の各先生と私、それにJR東海相談役の須田寛先生などが担当している。最初から担当されている須田先生の講義は大好評である。私も毎回講義を聞き、「耳に?」ができたくらいだ。名古屋市との連携を強めるために、観光に焦点をあて人文社会学部の特色を活かした講義を進めてきた。

一昨年からは名古屋市役所と旅行業に勤める学部卒業生にも「出前講義」をしてもらい、受講者から好評であった。卒業生と学部生との交流も深めることができ、講義のコーディネーターとして嬉しいかぎりだ。

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昨年9月には『名古屋の観光力 歴史・文化・まちづくりからのまなざし』という本を地元の風媒社から共同で刊行した。これまでの講義の成果をまとめたものであり、講義のテキストとしても活用している。

講義担当者だけでなく、大学院生や修了生、それに名古屋市博物館との連携事業で活躍している学部生も執筆している。同窓生の皆さんにもぜひ一読してもらいたい。

DSCF6576 こうした「宣伝」ができるのも、同窓会のホームページが立ち上がり、情報発信・情報交換の場ができたからだ。担当者の方にあつくお礼を申し上げたい。数年前までは同窓会を「どうそうかい」?と陰で心配していたが、こうしてメッセージを発信できるまでになった。学部とともに、同窓会の持続ないし維持可能な発展を願ってやまない。

またまた「宣伝」になるが、2月22日2時から201教室で私の「最終講義」が行われる。(※詳しくはこちら)ここで書いたことも含めて、「例の調子」の講義で35年間の教員生活を締めくくりたい。

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