卒業生リレーエッセイ

ご縁に感謝 -国際11期生 角田(旧姓:山本)梨紗さん【卒業生リレーエッセイ(A-15)】

佐々木さんから「近況が気になる人」の一人としてバトンを受け取りました、国際文化学科11期生の角田梨紗(旧姓:山本)です。
私は今、栃木県に住んでいます。
なぜ岐阜出身の私が、栃木にいるのか・・・?
この場をお借りして、大学生活や卒業後のあゆみを振り返りながら、近況報告させて頂きます。

まず、大学生生活について。
学業の方では平田ゼミに参加し、積極的に研究発表や卒論に取り組みました。
また、市大祭実行委員として学生生活の半分以上を市大祭の準備に費やしたり、平和活動を目的とした学生団体『PATH』の創設時メンバーとして平和資料館「ピースあいち」の英語版パンフレット作成に携わったりと、学業もプライベートも大変充実した4年間でした。

大学卒業後は新卒就職せず、イギリス・ロンドンへ1年間留学をしました。
きっかけは、2年生の夏休みに経験したイギリス・オックスフォードへ3週間の語学留学。
少なくとも私が在学中は、国際文化学科のほとんどの学生が長短問わず海外へ留学してたので、私も例外ではありませんでした。

このときの有意義な体験が忘れられず、ヒースロー空港から飛び立った飛行機の中で、ロンドンの町並みを上空から見下ろしながら「いつか必ずイギリスへ戻って来る!」と決意したのを、今でも覚えています。
ロンドン留学では、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」方が帰国後の就職への近道だと思い、専門学校でツーリズムの1年コースを受講しました。

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写真はDiplomaコースの修了証。
専門学校は語学学校ではないので、英語が分かるのは当たり前。授業に置いていかれないようにするのに、常に必死でした!
学校だけではせっかくのロンドンでの時間を持て余してしまうと思い、帰国後の就職に少しでも役に立つように、渡英から約半年経ったころから、英国人を日本に送る小さな旅行会社でインターンシップも経験しました。
また、滞在中にイギリス国内やヨーロッパ諸国を10カ国ほど旅行しました。
ロンドンやヨーロッパという多種多様な人々が集まる世界で1年間暮らし、自分の視野がぐんと広がりました。

留学前まで日本という国を斜め上から悲観的に見ていましたが、特に3.11の東日本大震災をイギリス滞在中に経験したこともあり、日本ほど美しくてすばらしい国はない、日本人に生まれて本当に良かった!と思えるようになりました。
日本に帰国後、「ロンドンのように大きな都市で自分を試したい!」という想いで上京し、イギリスなど英語圏への旅行を斡旋する旅行会社に就職しました。

就職して1年ほどはがむしゃらに働きましたが、次第に社風や働き方が自分に合っていないことに気がつき、就職から2年半後、最終的には寿退社のような形で退職しました。
今振り返れば社会人としての基礎を教わったり、自分という人間を見つめなおす良い機会になり、私の人生に必要不可欠な2年半でした。

そして、ここから栃木での新生活が始まります。
嫁ぎ先は那須烏山市という、人口2万7千人足らずの田舎町です。
宇都宮から車で約1時間。電車は1時間に1本あるかないか、最寄り駅は無人駅なのでSuicaなどのICカードは使えません。

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写真は那須烏山市内ではありませんが、どこもかしこもだいたいこんな感じ。山と川、のどかな田園風景が広がっています。
「こんな田舎になぜ?」「よく覚悟したね!」と多くの人に言われますが、自分の中ではあまり覚悟という覚悟をした覚えはなく・・・(笑)
もちろん地元の岐阜や大学生活を過ごした名古屋も大好きですが、そもそも地元への執着はあまりなく、ロンドン、東京と移り住んだように、新しい地で見聞を広げることが自分の性にあっていたんだと思います。
「田舎だから何もない」ではなく、「田舎だからこそできることをやろう!」と積極的に外に出ることを意識しました。

そうしていくうちに友達や付き合が徐々に増えていき、自分に合ったやりがいのある仕事も見つかり、地域活性化を目的とした市民グループにもボランティアで参加するようになりました。
そして、栃木にやってきて2年が過ぎ、仕事も地域の人々とのつながりも安定した中、今年の4月に第一子となる長男を出産しました。
初めての育児は大変なこともありますが、やっぱり我が子は最高にかわいい!
理解ある夫や家族や会社、地域の仲間のおかげで、家庭も育児も仕事も地域活動も、充実した毎日を過ごしています。

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最後に在学生を含めた読者の方にメッセージを贈るとすれば・・・「ご縁」を大切に、ということでしょうか。
このエッセイで書かせて頂いた私の大学卒業後の歩みは、偶然のようで必然な人とのご縁・出会いですべて成り立っていると言っても過言ではありません。
田舎での生活も「人とのつながり」が最大の魅力です。

私も以前は近所づきあいとか面倒・・・と思っていたこともありましたが、今では「地域のいろんな人に温かく見守られているなぁ」という安心感を抱き、子供が生まれてからより一層そう感じるようになりました。
すべての出会いは自分に意味のあるものだと思い、ひとつひとつのご縁を大切に、感謝すると、幸せに満ちた充実の日々が送れるのではないかと思います。

長くなりましたが、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次は、同じゼミで、PATHの活動でも一緒だった可愛い後輩の萌ちゃんにバトンを回します。

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